院選びにおいて気にしなくて良いポイント

[最終更新日]2019/03/18

前から感じていた部分について

別記事の「院選びのポイント」を書くきっかけにもなった事なのですが、「当院は安全・安心です」と自院をアピールする為の「わかりやすい比較対象」としてカイロや整体院等の民間療法が槍玉にあげられがちです。

「これでは患者さんが勘違いをしてしまう」

個人的にそう感じている点についだけここに記録しておこうと思います。

これは業者時代に強く感じていたことですが、取引先との関係がある為にどうしても口にできなかった事ばかりです(笑

1.国家資格の有無

医療系の国家資格があるから安心して下さい」という謳い文句は個人的に反対です。

これは業者時代から疑問に感じていました。明らかに誤解を促す表現であり、「言葉のマジック」と言って良いでしょう。

医療系国家資格で安心して良いのは以下の場合です。

「柔道整復師」

打撲、捻挫、脱臼および骨折等の急性期の損傷

※慢性期の症状は資格として取り扱う事が許されていません。(国の解釈)

「理学療法士/作業療法士」

リハビリ・機能訓練で、主に脳卒中などの後遺症や身体的な障害を持つ人を対象とする。

※必ず医師の指示書が必要で自分で施術計画を立てる権利がなく、その経験がありません。

どちらの医療系国家資格についても、その資格に与えられている業務は「慢性的な腰痛・肩こり・膝痛」や「骨盤矯正」ではありません。

これは最近増えてきた「助産師さん」にも当てはまります。

基本的に自費診療で行っているのは免許の外側「専門外」の施術という事です。

どうしてそれで「安心の医療系国家資格」と言えるのか。

それは患者側の「医療系という言葉への固定観念」に乗っかっているだけです。

心療内科の医師免許があるので、外科手術も安心してお任せ下さい

言ってることはこういう事です。

なので、医療系国家資格は信頼・安心の担保には実はならないのです。

むしろ、施術家自身がその事実を一番わかっていながら宣言している点の方が私は気になります。

安心も何も、そもそも信用できません。

2.「基礎医学を修めた」という文言

国家資格者による院のメリットとして以下の事が良くあります。

  • 基礎医学のカリキュラムをこなした
  • 国家試験を合格した点で知識の担保である

これは確かにその通りですが、多くの患者さんが「大きな勘違い」をされています。

医学を修めた=医師と同じくらい勉強したんだろう

この勘違いに乗っかる文言です。

医師以外の医療系国家資格の医学書は実際は「医師用の半分」以下のボリュームです。

  • ページ数は半分程度
  • 文字が大きくイラストが多い
  • 解説がとにかく省略されている

比べ読みをしたらすぐにわかりますが医学書の「入門書」の様な内容です。

  • 医師用:1,100ページ
  • 柔道整復師/鍼灸師用:300ページ
  • 理学療法士/作業療法士用:300ページ
  • 看護師用(生理+解剖):600ページ

私も実際に読むまで知りませんでした。「基礎医学は医師と共通」だと完全に勘違いをしていたのです。


手前2冊が医師用
奥の下2冊カラーが理学療法士・作業療法士用
奥の上2冊白黒が鍼灸師・柔道整復師用

なので、私は声を大にして言いたい。

医学を修めたと患者様に訴えるなら、最低でも医師用の医学書を修めるべきです。

でないと「基礎医学を修めた」という言葉が浮ついたものになってしまいます。

国家試験に合格したのは確かですが、そもそもの出題範囲が狭過ぎるので「基礎医学を修めた」とは言って欲しくないのです。

これは安心の担保にはとてもなりません。

3.病院勤務・臨床経験の人数

病院勤務の実績や臨床人数をウリにする院も多いですが、あれも「言葉のマジック」の一種です。

病院勤務や整骨院勤務の保険診療の場合は「1人10分~15分」で仕上げる事が求められます。1日数十人もの患者さんが押し寄せるので回転率が求められるのです。

1人1人と向き合う余裕がない「流す臨床の1人」と、1人1人とじっくり向き合う「向き合う臨床の1人」を同じ1人と扱うのは明らかにおかしな話です。

自費診療の人間には最初から臨床人数で勝てる見込みがありません。

100%勝てるからこそ、こうして臨床人数のアピール合戦が勃発している訳ですが、臨床人数が多いという事はそれだけ「流してきた」事にはなっても「向き合ってきた」事にはなりません。

そもそも、保険診療とは「向き合えない治療」なのであり、そのアンチテーゼとしてカイロや整体等の「向き合う医療類似行為」が生まれたのですから。

やはり、それを一番知っている先生自身がそれを承知でアピールしている事の方が個人的には気になります。「患者さんに凄そうに勘違いをさせる」為にしている訳ですから。

4.医師が通う、看護師が通うの文言

これも「言葉のマジック」です。

一般の方は「医師・看護師は医療従事者だから施術家を見極める力が凄い」と思っています。

それが大きな勘違いです

医師・看護師さん等の医療従事者は「健康意識」がとても高いですが、一般の患者様と同様に「誰がいいのかわからない」と彷徨っています。

どんな専門職の人であっても、患者としては皆同じ立場なのです。

そして、健康意識が高いので全患者さんにおける来院比率も多く「医師・看護師が通う院」は実は別に珍しい事ではありません。

患者様のプライバシーを考慮して公表していないだけです。

5.同業者からの推薦、医師からの推薦

これは身内同士でやっている事なので一番参考にしてはいけないものです。お金でやり取りされているものもあります。

  • お互いを推薦しあう
  • 推薦文がホームページにセットになっている
  • セミナー参加の特典として推薦文がつく

こういうのが当たり前となってしまいました。

5.講演・講師・セミナー実績

院外での活動も参考にできない時代になりました。

講演やセミナーとは「主催者側に招かれて参加するもの」という前提が患者さんにはありますが、今や登壇する側が「お金を払って出してもらう」という何とも頓珍漢な仕組みが溢れています。

雑誌やTVの取材が、いつのまにか「取材風記事」「取材風ロケ」となったのと同じです。

「こうすれば皆、安心するでしょ」

という院側の下心が出てくる部分ですので、安心感とは別の意味で「参考」になるとは思います。

6.初回の大幅割引と全額返金保証

凄い割引よくあるこんなやつ

ここ1~2年で特に目立つ様になったのが「初回に限り大幅割引」です。半額なんて当たり前、下手をすれば80%以上の割引を設定する院もあります。

これは新手の広告手法です。

何万円もかけて「電話が鳴るかどうか」の広告を打つよりも、数千円の値下げで「実際に足を運んでもらう」方が効率的なのです。

つまり、初回の大幅割引は手にしたら最後、「あ、ちょっとだけ良いですか?」と携帯やらウォーターサーバーやらの話に持ち込まれるAEONお馴染みの「手配りティッシュ」なのです。

「手に取らせたら勝ち」

初回体験時に必ず「これは悪い!」と検査され、回数券の営業が始まります。そこまでがセットです。

実は当院が「初回体験」で割引をした時、初回から手抜き一切無しで取り組んだ結果大赤字になりました(笑

今まで当院には来院の無かった「軽症の患者様」が溢れ出したのです。

私は当事者だったのでわかります。

本気で取り組んだら「とんでもない悪循環」が生まれます。

なお、全額返金保証も日本人は性格的にはできません。それを承知の上での提案です。