骨盤矯正と産後の骨盤矯正

産後骨盤矯正のお話し

北摂地域は子育て世帯がどんどん集まってきています。その為に「産後骨盤矯正」というメニューを加えている院が殆どです。当院でも産後の骨盤矯正について施術対象としていますが一般的な骨盤矯正とは少し捉え方が違っていますのでその点を踏まえて、産後の骨盤矯正についてのお話をしたいと思います。赤ちゃんを産んだばかりのママも、そんなママの身体を大切にしたいと思っているパパも是非ご参考下さい。

その1:骨盤矯正って何だろう?

赤ちゃんを無事に出産した後に行うべきとされる「骨盤矯正」ですが、そもそもそれって何で必要なの?という話については余り深く説明を受けた人は少ないのではないかなと思います。そこでなるべく簡潔にわかりやすく説明をしていきたいと思います。

骨盤は妊娠から大忙し

女性の骨盤は赤ちゃんを育てる・子宮を守る骨格として妊娠の時点から「妊婦さん専用の骨格」に生まれ変わります。お腹に赤ちゃんがいない時の骨盤とは別物だと考えてください。明確な「赤ちゃんを守り、育てる骨格」としての役割に沿った動きをしていきます。ここから10月10日の間、静かに動き続ける骨格となるのです。

出産の際は一層大忙し

いよいよ赤ちゃんを産むという分娩の時、骨盤はここ1番の忙しさを誇ります。お腹の中にいた赤ちゃんはお腹から骨盤に至るトンネルを通って生まれてきます。そのトンネルは非常に狭く赤ちゃんにとっても大冒険になる訳です。

そこで、骨盤は赤ちゃんが通りやすい様にその都度形を変えて道を作ってくれます。まず初めには骨盤の上側のスペース(入り口)を広げてくれます。そして無事に赤ちゃんが入り口に入ったら、今度は骨盤の下側のスペース(出口)を広げてくれます。

こうして赤ちゃんは狭いトンネルを抜けて晴れてママとパパのもとへやってくるのです。大仕事を終えたママはホッと一息ですが、実は骨盤も同じくホッとしているのです。

※赤ちゃんの頭蓋骨が固まっていないのは産道を通る為に柔軟な動きができる様にする為と言われています。実際、中には出産時に頭が細長くなっている赤ちゃんもいます。

病院は会陰のケアはするけど骨盤はしてくれません

基本的に出産時に即ケアをしてくれるのは会陰の部分です。最近は出産をスムーズに行うために子宮口が10㎝程度開いた時点で軽く会陰切開をして分娩時の負担を小さくしています。その傷をすぐに縫ってくれるのですが、出産時に最も働いてくれた骨盤に関しては特にケアがされる事はありません。

これが産後の骨盤矯正が必要だという理由です。出産時に骨盤に起こる動きは「大地震」と変わりません。骨盤は本来「腰上を支える為の土台骨格」なので、基本的に動きを抑えられた半関節(余り動かない関節)です。その骨盤がたった数時間の間に地殻変動を起こすのですから、その負担たるや相当なものになるのです。

だから10月10日頑張り続けて放心状態の骨盤をケアしてあげる事はとても大切な事なのです。ですが、すんなりと世の中に産後の骨盤矯正が浸透した訳ではありませんでした。

実は骨盤ケアは長年、日陰者でした。

「産後の骨盤ケアは大切である」そういわれる様になったのはここ10年の話です。それ以前は「骨盤(仙腸関節)は動かない」という認識が医学の世界の常識だった為に「ケアの対象」となっていなかったのです。「骨をどうやってケアするんだ」という感じですね。

ですので産後の骨盤矯正はひっそりとカイロプラクティック院や整体院が行う施術となっていたのですが「動かない関節を相手に何やっているんだ。無資格者はこれだから困る」と医学界からはケチョンケチョンに言われていました。後ろ指をさされながら臨床に励む当時の先達にとっては「元気になったママの笑顔」が支えだったと思います。

そんな産後の骨盤矯正が陽の目を浴びたのは「柔道整復師」の方々の熱心な広告・広報活動によるものです。民間療法に属する団体がどれだけ一生懸命に広報をしてもやはり見向きもされません。ですが、国家資格者による広報活動・認知活動はやはり違いました。

そして今では産後の骨盤矯正はママにとってはとても大切な産後ケアとして社会に根付きだしています。個人的にこの骨盤矯正の認知・広報活動に関しては柔整師の方々に本当に感謝しています。カイロプラクティック業界ではここまで浸透させることはまず無理だったはずです。

その2:産後は骨盤矯正だけでいいの?

ここからは当院の骨盤矯正に関する見解になっていきますが、まず大前提として「産後は骨盤矯正だけでいいのかな?」という想いがあります。10月10日(300日以上)に及ぶ妊娠~出産までのママの身体の変化を考えていくと「骨盤だけ整えるのでは不十分」という答えしか出てこないのです。

実際、骨盤矯正を受けているママは「かなりの長期間」に渡って頻繁に骨盤矯正を受け続けているケースが多いのですが、これは骨盤だけ整えた結果「戻りが早い」という事だと思います。

出産時の負担箇所だけのケアではいけない

産後の骨盤矯正が注目を集めているのは「出産時に最も大変動する骨格」だからだと思われます。それは間違いないことですが、それだと出産時に負担の掛かった部位だけのケアになってしまいます。

出産前の妊娠中にずっと赤ちゃんを守り続けてきた「妊婦さん用骨格」となるのは骨盤だけではありません。体中の筋肉・骨格もまた妊婦さんモードとなっているのでしっかりとしたケアをしてあげる必要があるのです。

縁の下の力持ちのケアも大切

一般的には「産後のケア=骨盤矯正」という認識がされていますが、当院は少し範囲を広く受け止めています。「骨盤矯正」とは産後のケアの1要素であって、産後ママのケアとして本当に大切なのは「妊娠中から頑張ってくれた身体の様々な場所」をしっかりケアしてあげる事なのです。

世の中の産後の骨盤矯正はそこが大きく抜けています。「骨盤矯正ありき」で他の部位のケアがかなりおざなりです。それでは何回も通って刺激を重ねていく必要が出てくると思います。それではもうケアというより新たな負担と言えるでしょう。

妊婦姿勢からの復帰を前提にした産後ケアが大切です

産後骨盤矯正が重要だとされる事からもわかるように、人間の身体はそう簡単には元には戻りません。それはつまり「出産したから」といって長年の妊婦モードの姿勢がすぐに戻る訳ではないという事です。育児ママの多くが腰痛に悩まされる or マメな通院を余儀なくされる原因はまさにここにあります。妊婦モードの骨格を調整する事なく骨盤だけ調整し続けて子育てに入るからです。

妊婦さんの姿勢は「腰痛製造機」といって良いほどに腰に負担を強いる姿勢です。その為「両親学級」ではその辛さを旦那さんに教える装具まで用意されています。あれは「足元の不安」だけでなく「腰の負担」も伝えることが目的になっています。

産後の骨盤矯正は本来なら「妊婦特有の腰痛姿勢」を改善させる産後ケアの一環であるべきなのです。骨盤矯正だけではその場しのぎの改善法になってしまいます。

妊娠も理解している専門家に任せましょう

産後の骨盤矯正、というより産後のケアは「出産」だけでなく「妊娠」によって女性の身体に起こる変化についてもしっかり学んでいる専門家に任せましょう。「産後骨盤矯正」はそれを院のメニュー化することを目的にしたセミナーが沢山開催されていました。その為に「セミナー受講後に産後骨盤矯正のメニューを設置した」という流れの院も多いです。

骨盤矯正だけをするのは往々にしてそういった院となります。

産後のママのケアには「骨盤矯正も含めた身体全体のケア」が必要です。これから先には育児という長い道のりが待っていますので、なるべくママには最高のコンディションで育児に臨んでもらうべきだと当院は北摂の「パパ」さんにお伝えしたいと思います(笑

「近くの院でいいやん」なんてママに決して言わないでください(笑 この業界は「歯医者選び」と同じで慎重に選ぶ必要があるんですよ~!その代わり、出会えば本当に一生ものの出会いになりますから!

その3:当院の産後ケアについて

当院でも勿論、産後の骨盤矯正を含めた産後ケアを行っています。当院の場合は「産後骨盤矯正」という位置づけではありません。目的は「妊娠中の骨格の名残を妊娠前の骨格に戻すこと」となります。その中には当然「出産時に頑張った骨盤の再調整」も含まれています。

赤ちゃんを守る為の骨格はママの事より赤ちゃんを優先した姿勢を作りますので、出産後もそのままにしていると「育児腰痛」が起こり、早い段階で抱っこが辛くなってくるケースが出てきます。それは子育てにおいて非常に勿体ない事です。

本来の骨格・姿勢を取り戻して、思う存分に赤ちゃんの抱っこができるママになりましょう!親子がニコニコしているのが一番の育児だと当院は思います。

その4:パパにママの大変な理由を知ってほしい

産後の骨盤矯正は一部「新たな市場」として開発されたいきさつがあります。それは事実です。ですが、その業界の思惑とは別に実際に産後の骨盤を矯正することはとても大切な事です。そこには明確な理由と根拠があります。それを是非「パパ」にこそ知って頂きたいのです。

理由1:妊娠を通じてママの骨格は「腰痛骨格」へと変化する

ママの身体は妊娠を通じて大きな変化を迎えます。赤ちゃんを育てる子宮がどんどん大きくなり、ママのお腹が膨らんでいくのです。パパは「お腹が大きくなってきた」とほほえましくママのお腹を見つめることが多いと思いますが、ママにとってはこれが大変な事になります。お腹が膨らむという事は「腹筋が常にストレッチされる」という事なのです。腰回りを守っていた「腹筋」がその機能を大きく制限されてしまう事になり、すなわち「腹筋コルセット」がなくなってしまう事を意味しています。

腹筋コルセットを失うという事は「体幹」のバランスが崩れてしまうという事であり、腰を支えていたものがなくなるという事です。

そうなのです。妊娠するという事は「無条件で腰痛を最も引き起こしやすい身体になる」という事でもあるのです。「妊娠中はなるべくママを労わって」という言葉が色んな雑誌に出てくると思いますが、こういう事なのです。ママはホルモンバランスの変化だけでなく、いつぎっくり腰になるかもわからない状態に放り込まれてしまうのです。だからこそ妊娠中のママのケアは大切なんですね。

理由2:骨格の変化は出産をしてもすぐには戻らない

産後の骨盤矯正が何故必要なのか。それは「出産後に骨格はすぐには戻らない」からです。残念ながら出産後は「妊娠時の腰痛姿勢」がそのままにされてしまいます。それだけ出産とは女性にとって大きな仕事なんですね。多くのパパが「お腹で居座っていた子が出てきたんだからもう大丈夫でしょう」と思うのですが、実は全く大丈夫じゃないのです。ただ「ようやくケアをする事ができる段階になった」という事なのです。

ここで産後の骨盤を含めえた全身のケアをしないと「プレ腰痛」の状態を維持したままで育児に突入しますので「身体がスッキリしない」状態での育児が続き、どこかで「グキッ」としてしまう可能性を抱えながらの子育てとなってしまいます。子育てを純粋に楽しめないのは親として大きな損失です。できればママには育児にだけ集中してもらえるように出産後は「身体のリセット」をしてあげましょう。ママ自身が長年の妊娠の為に「正常な状態」を忘れかけています。「え?身体ってこんなに軽かったっけ?」と身体のリセットで驚かせてあげましょう。

パパからママへの素敵なプレゼントになると思います。当院は「ママを応援するパパ」を応援します。

  • 「パパ専用のママ労りチケット」
  • 「母の日チケット」

理由3:妊娠時の骨格は育児・家事・仕事には極めて不向き

これは妊娠中に病院で開催されている「両親学級」で説明をされているかもしれません。中には「パパによる妊婦体験」をしたパパもいるかもしれません。妊娠時の骨格は「お腹が突き出て」「背中が反り」「膝は常に曲がり」「足の付け根も常に曲がる」という非常に日常生活を送るうえで不便な姿勢となっています。これはお腹の中の赤ちゃんを最優先で考えた結果であり、母体は二の次となっているからです。

この「赤ちゃん優先」の骨格・姿勢の状態で産後すぐに「日常に戻って」と期待をされても無茶な話です。300日以上の長期間に渡って「妊娠骨格」が身体に染みついている為に、筋肉は簡単にはもとに戻らないからです。だから「産後ケア」が重要になります。

開いた骨盤の矯正はもとより、本来のバランスから崩れている全身の筋肉を再調整する必要があります。そうしなくては身体がいつまでたっても「妊娠モード」から「通常モード」に戻ってきてくれないのです。妊娠に適した状態は「家事・育児・仕事」といった日常生活には最も不適な状態なのです。その状態を整えてからスムーズに日常へとママには戻ってもらいましょう。