子供の知育・脳育・足育のお話

健康みさとっ子

脳育・知育のお話し

当院では主にキッズアスリートの土台育成などの指導を行っていますが、ママからよく相談を受けるものに「脳育」「知育」という言葉があります。厳密な定義がまだ定まっていない為に「キャッチコピー」としてよく扱われているのは目にしますが、売り手の情報に踊らされないようにある程度の整理は大切かなと当院は考えています。

そこで今回はカイロプラクティックの視点で「脳育」と「知育」を紹介していきたいと思います。主に患者様のママから質問されたときに答える内容と同じです。

その1:脳育・知育って何だろう?

最近は院長が小学校時代に夢中になった「ねるねるねるね」までが「知育菓子」として装いを新たにした途端、再びヒット作となっています。TV番組で特集されていたところ「知育菓子」のうたい文句を追加した途端に売り上げがV字回復を見せたそうです。

余談ですがチョコレート菓子のブラックサンダーなどは「女性に人気」というキャッチフレーズを入れただけで20%~30%も売り上げが上がったそうです。言葉の力は本当に凄い。今はまさに「脳育」「知育」が注目ワードとなっている訳です。

脳育と知育は別物なのかな?

脳育と知育の違いを真面目に考えている人は沢山います。「脳育は脳の教育であり知育は知恵・知識の教育である」などです。実際の脳育・知育の仕掛人はそこまで深くは考えていません。「このキーワードは世の中のママに響くだろう」という程度の認識で使っています。ですので言葉自体はとても薄っぺらいものだと考えてください。

実際、ねるねるねるねが知育菓子たらん理由とは「手順に従ってお菓子を作るから」です。普通のお菓子でいうところの「箱を開けて袋を破ってお菓子を食べる」作業もある意味では同様の知育といえるのです。

とにもかくにも「脳育」と「知育」はそこまでの棲み分けができている言葉ではないと覚えておきましょう。

脳はどうやって育つのか?

さて、脳育と知育が厳密な線引きができていない事まではわかりました。次は「脳育とはなんぞや?」というお話です。つまり「脳が育つとはどういう事なの?」という事ですね。脳のお話しとなると複雑なものを想像してしまいがちですが、決してそういう事はありません。脳はとてもシンプルなシステムなので説明もシンプルにできてしまうのです。

脳は外からの情報(刺激)で成長する

脳が成長するという事は「脳が経験する」という事と基本的には同じです。脳の神経細胞自体が増えることも「脳の成長」という事はできますが、それは日々起こっている生理現象で半ば自動的に起こっています。一方の「脳の経験」による成長は外から刺激を与えることで脳が新たな情報を得て成長をしていくものです。主に私達人間が行う「脳育・知育」とはまさにこっちの事ですね。外から脳に刺激を与えてどんどん脳の神経細胞を成長させていくのです。

脳が受け止める外側の刺激とは何?

ここで大事になってくるのが「脳にとっての外からの刺激とは何か?」という点です。脳育・知育の理解においてここが最も重要なポイントになります。

脳が受け止める外側の刺激とは何か。それは「五感を通じて回収される情報全て」です。生活の中で最も多い刺激としては「視覚」「触覚」「聴覚」でしょう。流れ込んでくる情報量が桁違いです。そしてその中でも脳に外から働きかけやすいのは「視覚」「触覚」です。だから脳育・知育の世界では「視覚・触覚」を通じたものが大半となります。

じゃあ脳育ってこういう事だよね

ここまで「脳育・知育」について簡単にまとめました。最後少し複雑に感じるママ・パパもいたかもしれませんが、簡潔に述べますと「何かをしていれば脳育になっている」という事なんですね。言ってしまえば「生きる事は脳育そのもの」という事もできます。

ここで「ポカーン」となっているママ・パパもいるかもしれませんが「脳育・知育」なんてそんなものです。だから「ねるねるねるね」が知育菓子となるんですね。「説明通りにお菓子を作る」という工程自体が「視覚(指示の認識と解読)」「触覚(指示通りの行動)」という脳への刺激となっているのです。

ですので、脳育・知育に関しては余り深く考えなくも大丈夫です。スキンシップも「触覚」「嗅覚」「視覚」を使った立派な脳育・知育になります。新たなスキルは生まれませんが、脳細胞は物凄い勢いで情報を回収し、分析している状態です。

その2:脳育・知育にはどんなものがあるの?

今、日本では「早期教育」がやたらと推進されています。その為か民間業者もどんどん「早期教育」に参入しており「脳育・知育」は織り込みチラシでも沢山目にするようになりました。ひと昔前の習い事ですら「脳育・知育」をうたい文句にしているケースも見受けられます。全部、本当です。一つ残らず「脳育・知育」としての要素があります。

大人が用意する脳育・知育

今、世間的に話題になりやすい脳育・知育は以下の通りです。

  • 英会話
  • プログラム
  • リトミック
  • ボーイスカウト・ガールスカウト
  • そろばん

ここら辺の習い事が「脳育・知育」のカテゴリーで良く出てきます。

子供が受け取る脳育・知育

一方で子供が大好きな事で脳育・知育になるものは一杯あります。

  • 鬼ごっこ
  • 手足握手
  • ケンケンパ
  • 折り紙
  • じゃんけん
  • 縄跳び
  • 塗り絵
  • 公園遊び

実はこれも全部「脳育・知育」です。

脳が求めているものを理解しよう

上記の「脳育・知育」のリストは色々と議論の的になるかもしれません。「いやこっちのほうが優れているんだ」といった効率性を論じる議論になるかと思います。ですが、それは人間が勝手に決めた理屈であって、脳が求めているのとは少し違います。

脳は常に新しい刺激を求めているだけです。そして過去に経験した刺激も求めています。どっちの情報も常に求めているのが脳なのです。

新しい刺激からは「今までにはない情報」を得て学習をし、過去に経験した刺激からは「過去と現在の刺激を照らしあらせて”今”の最適解を導き出す」というより効率的な反応を示せるように成熟していきます。

つまり新しい刺激、経験済みの刺激どちらの場合も異なる成長が脳にもたらされるので「未経験の刺激の方が価値がある」という話ではないのです。

この「新しい刺激・経験済みの刺激は共に脳には価値ある刺激」という点を理解できれば子供に対する脳育・知育が一気に進むと思います。自分で脳育・知育のかじ取りが可能となるのです。

その3:脳育・知育はもっと身近にある

以上、脳育・知育について簡単に紹介をしてきました。是非、小さなお子さんを持つママ・パパに知って頂きたいのは「脳育・知育とは特別なものではない」という事です。専門家の高い授業を受けさせなくてもママやパパの手で脳育・知育は可能だという事です。

脳育・知育は半径2m以内に沢山存在している。

是非、この点を覚えておいてください。

脳育は日常に溢れています

当院が北摂で子育て中のママ・パパに伝えたい事。それは「日常に脳育・知育は溢れている」という事です。北摂地域には子育てファミリーが沢山引っ越してきています。それもあってか「脳育・知育」を盛大に謳う習い事の募集チラシが本当に沢山舞い込んでいます。

来る日も来る日もやってくる様々なチラシに「どれを選べば我が子の為に良いのやら」と迷うママ・パパは非常に多いです。来院時に相談されるママも増えています。

我が子にはベストな選択をさせてあげたい。そう願うママ・パパはその選択肢の多さと魅力的な情報の洪水に少しお疲れ気味です。だから当院でははっきりとお伝えしたいのです。「どれも優劣無く優れた脳育・知育となる」と。「これが一番の脳育・知育だ!」なんてものはありません。違うのは性質だけです。

大切にしてほしいのは子供の「関心」という名の情熱の種です

北摂のママ・パパに是非大切にしてもらいたいなと願うのは「本人の関心」が何処に向いているかという事です。いずれの習い事であっても「脳育・知育」としては十分な要素がありますが、そこには大前提としての大切なものがあります。

「本人の気持ち」です。

脳が活発に学習・成長するには子供本人の「もっと知りたい、もっとしたい、もっと先に行きたい」という明確なモチベーションが必須です。これが無ければ「刺激の多くは素通り」となり脳育・知育としての役割を果たしてくれません。「苦痛な時間」となってしまうだけです。

何をするかよりも「如何に楽しむか」が脳育・知育には重要となる事を忘れないでください。興味のある事には脳はフル回転をします。

生きる事そのものが脳育そのもの

結局のところ「脳育・知育とは何か?」という禅問答をした場合、現時点で最適だと思う答えは「生きる事そのものが脳育」というものです。脳を学べば学ぶほどにそう思います。

脳は常に「自分の外側(環境)」と「自分の内側(感情)」という二つの環境からの情報を常に読み取り自分の置かれている状況を判断しています。これ自体が既に「脳育・知育」となっているのです。私達大人が子供に提供する脳育・知育は主に「外側」からの情報となりますが、そればかりとなると「内側」からの情報を「垂れ流し」する事となってしまい「身体の声を聴けない」という子供になってしまうリスクも出てきます。バランスがとても大切なのです。

色々な経験を早いうちにさせてあげたいと思うのは誰もが持つ親心だと思いますが、案外「ただ生きる」という経験をさせてあげる事もまた大切な脳育・知育なのではないかなと思います。答えが無いからこそもどかしいといいますか。

脳育に専門家なんていらない

こんなことを書いてしまうと脳の専門家に怒られてしまいそうですが「子供の脳育・知育」という点に関してはやはり専門家はいらないと思います。これは子育てを今していて本当に感じる事です。

脳育に無駄はありません。効率を重視し無駄を省こうとする脳育理論は「専門的な能力を効率よく習得させること」を理想とするものだと思います。ですが、脳にとっては成功も失敗も「等しい経験」なのでどちらも等価値です。ですので「遠回り」を沢山して、どちらの経験も沢山させてあげれば良いと思います。大事なのは「より多くの選択肢を試した」という経験なのですから。