姿勢のお話し

北摂のママ・パパが感じる「子供の心配事」で1位2位を争うのが「姿勢の悪さ」です。

姿勢と病は結構似ています

「病は気から」という言葉がありますが、実は姿勢にもそれはあてはまります。大前提としてそれを理解しておいてください。まさに「姿勢は気から」という事もあります。

  • 自信に満ち溢れた人
  • 自信の無い人
  • ストレスを抱えている人
  • 不安を抱えている人
  • 恐怖を感じている人

姿勢と振る舞い、言動で結構わかる事が多いと思います。その人の「こころ」が姿勢となって表れているからです。

その1:姿勢が意味する3つの事

まず、姿勢について「絶対にこれが正しい」なんて思うのはナンセンスです。子育て同様に人間の心身は「正解があって無いようなもの」となります。だから「ざっくり」とした傾向の理解だけで十分です。

そこで、姿勢が私達に教えてくれる事は何なのだろうか?あくまでざっくりと理解していきましょう。

1つ目:筋肉のバランス

姿勢を作るのは「筋肉」であり「重心」です。人間の身体は前後左右上下の筋肉がお互いに「ほわっと」引っ張り合う事で理想の「重心」を確保しています。

  • 筋肉が緩みつつも弛緩にまでは至っていない。
  • 程よい緩い緊張が維持されている状態。

姿勢が偏っている場合はこの筋肉のバランスが崩れています。筋肉の引っ張り合う力が崩れない状態で姿勢が歪むことはまずありません。少なくとも私は見たことがありません。姿勢の歪みは「筋肉のバランスがどこかで崩れている」という事を私達に教えてくれます。

綺麗な姿勢の要注意事項!

ママ・パパは「理想的な姿勢」を様々なテレビや雑誌で目にしてきたと思います。ですが、その姿勢はまず無理だと知って下さい。理想的な姿勢を実現するには「両利き」になり、かつ常に左右均等に使い続ける必要があります。理想の形とは常に非現実的です。私達には利き手があり、軸足があります。その時点で必ず筋バランスの多少の崩れは生まれますので、当然ながら姿勢は崩れます。

多少の崩れは基本だと思いましょう。 理論的に美しい姿勢とは誰もが常に意識すべきものではありません。

  • 「人に常に見られる仕事」
  • 「自分自身がモノ・コトのイメージを表現している仕事」

に就業している人だけが仕事中に意識をする必要がある程度です。どのような職業かといいますと

  • モデルさん
  • 宝飾・服飾関係の販売員さん
  • 俳優さん
  • 会社等の受付業務の方
  • CAさん

等がその代表例です。勿論、保育士さんや教師、看護師さんなども「見本」として振る舞う事が求められますから綺麗な姿勢が望ましいとされますが、「見た目綺麗な姿勢」は必要ありません。そういう点で一覧から外しました。 何が言いたいかと言うと

  • 「印象に残る様な美しい姿勢」
  • 「人間本来の自然な美しい姿勢」

これは全く別物だという事です。そして日本で目指すべきゴールとされるのは大体が前者となります。お子さんにそれを求めるのは酷なのです。

2つ目:自律神経のバランス

姿勢が私達に教えてくれる2つ目のポイント。それは「自律神経の状態」です。表情や抱えている空気も含めての判断となりますが、交感神経が優位な状態になっている人はまず

  • 「猫背」
  • 「円背」
  • 「ストレートネック気味」
  • 「結論を急ぐ」

といった傾向があります。これは日本人に特に多いです。日本人は元々が神経質で責任感の強い国民性からか、社会に出ている人の殆どはこの状態です。 そして、何故かここ10年くらいの間で「小学生高学年」くらいからこの大人顔負けの状態になっている子供さんが増えています。

最近の子供さんは中々大変です。本人も無自覚の間に少しずつ疲れが溜まってしまうのでしょう。

歩き方や食べ方からも見えてくる自律神経

自律神経の状態は姿勢だけでなく「歩き方」「食べ方」等からも良く伝わってきます。自律神経が交感神経に傾いている場合は

  • 歩くペースがとても速い
  • 食べるペースもとても速い

という特徴が出てきます。それ単体では「癖」「習慣」という事も考えられますので、幾つかのポイントを重ねて確認をするのが良いです。逆に副交感神経が優位の状態は

  • 歩くペースがとてもゆっくり
  • 食べるペースもゆっくり

という特徴が出てきます。会話をしていてもすぐにわかるくらい「その人を包む時間が穏やか」になっています。こちらも「癖」「習慣」という可能性がありますので、やはり複数のポイントを重ねて判断をするのが確実です。

3つ目:子供の精神状態のバランス

恐らくこれからの時代で注目を集めていくのはこのポイントでしょう。子供の姿勢は子供の「心の状態」を強く示してくれます。私が知る限りは

  • 子供の言動【○】
  • 子供の振る舞い【◎】
  • 子供の姿勢【☆】

言動や振る舞いを通しても子供の「こころ」を推し量る事は可能ですが、姿勢はそれ以上に子供の「こころ」を教えてくれます。

  • 不安な気持ち
  • 心細い気持ち
  • やり場のない怒り
  • 収まりのつかないイライラ

子供は大人の様に自分の気持ちを上手に律する事ができません。大人ですら「冷静なつもり」ではあっても外から見れば「気持ちが姿勢となって顔を出している」という事もあるくらいです。子供はもっと抑えきれずに姿勢で表現してくれます。※但し、親の姿勢をそのままコピーしているケースもあります。

その2:姿勢を正す上で大切なポイント

綺麗な姿勢を取り戻す為に必要なポイントは幾つかありますが、どれも非常に簡単です。全く難しくありません。

ポイント1:姿勢は「気持ち」から変えた方が実は早い

この事をしっかり伝えている先生はまだまだ少ないです。「形」から入る姿勢矯正が一般的になっています。それはそれで大切な事なのですが、実は姿勢は表情と同じで「気持ちを代弁している」ケースがとにかく多いのです。これは大人も子供も変わりません。

ですから、実は「綺麗な姿勢を覚える、意識する」事よりも「子供が今抱えている悩み事、晴れない気持ちの原因」を一緒に考えて、整理していく方が効果的なのです。抱え込んで放置していた「こころのモヤモヤ」を1つ解決する度に姿勢は本当に変わっていきます。

子供本人は無自覚なケースが多いですが、周囲が先に気付く事が多いです。

ポイント2:「形」としての姿勢を学ぶこと

姿勢を綺麗にする為には「気持ちからが早い」事は間違いありません。ですが「本来の姿勢」についての基礎知識を持っておくことも大切です。歪んだ姿勢での生活が長ければ長い程に「今の姿勢が普通」だと脳は認識しがちです。

ですので、「自分にとってはこれがきれいな姿勢だ」と勘違いをしてしまうのです。その誤解を解く為にはやはり「正しい知識」と「常日頃の取り組み」が大切になります。

ポイント3:「からだを動かす」こと

姿勢と運動はとても密接に繋がりあっています。姿勢を作り出すのは筋肉であり、筋肉は基本的に「使う為に存在している組織」です。この使ってナンボの筋肉は使わなければどんどん「リストラ」がなされていきます。「使わないなら、いらんものや」という判断を脳がするのです。そうなると、そもそもの姿勢を維持するための土台が削れていく事になりますので姿勢は歪む一方です。

また、運動は自律神経を交感神経・副交感神経どちらにもしっかり刺激を入れる優れた神経の調整方法でもあります。姿勢を取り戻すためには是非取り組みたいポイントになります。

その3:姿勢は症状と同じで「結果物」だと知りましょう。

以上、子供の姿勢についての紹介をしましたが、姿勢は「腰痛」「肩こり」と同じく「様々な要因が重なり合い、結果的に生じたもの」となります。ですので歪んだ姿勢を直接狙い撃ちする方法はありません。姿勢を歪めた要因を炙り出して、1つ1つに働きかける事が大切なのです。

はじめの一歩:大切なのは子供の姿勢を知る事から

お子さんの姿勢矯正に取り組む際、まず最初に必要になる事は「お子さんの姿勢の状態」を明確にすることです。当院でいう「からだのカルテ」を取る事です。

骨盤の歪みだけで姿勢の歪みを判断すると、結局は「定期的に骨盤矯正をする」という落とし所が待っています。それは「対処療法」にしかなりません。大切なのは「何故、歪むのか?」を理解する事です。そしてそれを知る為には

  • 今の子供さんの姿勢を知る事
  • 今の子供さんの筋肉の状態・特徴を知る事
  • 今の子供さんの神経の状態・特徴を知る事

これが大切になります。

次にすべき事:向き合うべき要因を炙り出す

お子さんの「今」を理解することで、今度は「向き合うべき課題」が見えてきます。

  • この筋肉を使い過ぎていた
  • この筋肉が全然使われていなかった
  • 少し気負っている部分があったようだ

等など、親子で一緒に取り組めることばかりですので、楽しく取り組む様にしましょう。

最後に:慌てず、焦らず、1つずつ取り組む事

親子ですべきことが見えた後は「ひたすら実行」するのみです。取り組む内容はとても簡単で多岐にわたります。その中から「これなら負担なくできそうだ」と感じたものを選んで生活の中に溶け込ませる様にしてください。すぐに結果は出てきませんが、2週間~1ヶ月で少しずつ浸透していくように変化は現れます。 大人の姿勢矯正は単純ですが、子供の姿勢矯正は「こころ」がかなり関わっていますので慎重に慌てず、じっくりと取り組みましょう。

果報は寝て待て:姿勢が本来のものへ戻る(心身の安定)

子供の姿勢矯正は単純に「動きの癖」だけで成り立っているケースはとにかく少ないです。就学前~中学校くらいまでは「こころ」の問題もどこかに含まれている事が多いです。ですので「姿勢」と「こころ」の両面で向き合っていきましょう。イメージとしては「姿勢」をきっかけとして親子のコミュニケーションをどんどん取る流れが一番良いかなと感じています。 臨床経験から言うと「姿勢を綺麗にしよう」と努力をするより「親子で一緒に動く日常」を取り入れて楽しむ方が結果的に姿勢も表情も明るくなっています。ママ・パパも気分転換ができてスッキリするケースが多い様です。 物凄くアナログな意見ですが、就学前~小学校くらいまでは「小さな成功体験」をアナログでどんどんさせてあげてください。自信の積み重ねが結局は威風堂々とした、凛とした姿勢に繋がります。

スマホ・タブレットは気持ちを内向きにしがち

スマホやタブレットは無限の情報世界へと気軽に繋がりますので非常に刺激的です。ですが、それに夢中になる余り、現実の人間社会との接点が減ってしまう、デジタル機器を通じてのコミュニケーションが中心となってしまうというデメリットもあります。 大人がデジタル機器を扱うのと、子供がデジタル機器を扱うのではその影響力は全然違います。小さなときからデジタルコミュニケーションを「土台」にすべきではありません。アナログを前提としたうえで効率化の手段として「デジタル」を導入するようにしましょう。デジタルが基本となっている子供は姿勢が小さくまとまっているケースが非常に多く、まとう空気も不安定です。